演習2.55の解答です。
フォン・ミーゼス分布について、集中パラメータ の最尤解
について、
となることを示す問題。
解答は簡単ですが、(2.185)の関数 について教科書で説明が少ないので補足すると、
は平均合成ベクトルの長さを意味します。
円周上の分布について、それぞれの点を軸ごとに分解(ベクトル化)し、足し合わせて平均を取ったベクトルについて、その偏角が、平均方向( もしくは
) となることは演習2.53で見ました。
偏角が平均方向であるのに対し、その足し合わせたベクトルの大きさが、 合成ベクトル長 となります。
これがどういう意味を持つかというと、その分布の集中具合を表します。分布が集中するほど(集中パラメータ が大きいほど)、その分布のベクトルを足し合わせたベクトルの長さ
は1に近づいて行きます。完全に集中すれば1になり、逆に完全に方向が分散している、つまり円周上に一様に分布していれば、それらのベクトルを足し合わせると0になります。教科書の図2.20を確認してください。
サンプルから の最尤解
を求めたい時には、直接は求められず、関数
を介して、
となるように求められます。つまり、
です。